アメリカ旅客鉄道史(http://www.usrail.jp)トップ>おまけ(雑談と掲示板)>作者の趣味のページ(2)マニアックな趣味

<趣味について>
作者の趣味のページ(2)マニアックな趣味>
 ここではよりマニアック、すなわち「趣味が入っているね」と言われそうなものを紹介する。

○マンガ本の好み

 鉄道が好きだと「アニメ大好き」となる人が多いようだが、20年ほど昔に、
『そんなものに手を出すと酒やタバコと同じで止められなくなり完璧な「ヲタク」になる』、と思って努めて見ないようにしてきたため、マニア度の強いものには興味が湧かない(気持ち悪い)。強いて言えば「サザエさん」は(色んな意味で)面白いと思っているが、毎回見ているわけではない。

  →但し、銀河鉄道999の続編「銀河鉄道物語」にははまった。日本風の車両とヨーロッパ
  風の街並みが上手く調和した結果、「もしアメリカの鉄道がそのまま残っていたら」の世界
  を体現してしまっているから面白い(プルマン車は遠目には日本の旧客風で、アメリカには
  ヨーロッパの建築を真似た建物が多い)。同様の理由で「」

 マンガのほうは多少好みがあり、最近のマイ・ブームは
・手塚治虫関係−特に「火の鳥」「ブラック・ジャック」
・細野不二彦−「ギャラリーフェイク」

 ギャラリーフェイクの主人公のフジタや、ブラックジャックの天才ぶり、すなわち

語学・・・
フジタ:「アラビア語は片言ならできるが・・・」
ブラックジャック:入院している患者にピノコが「先生しかスペイン語は出来ないんだから・・・」と言っているシーンあり

 マンガだから通訳を省略している可能性もあるが、前後の文脈から想像するに、二人とも両者とも
英仏独伊露西ぐらいは話せるらしい(フジタはアラブや、中国、インドなどを一人旅して地元民と普通に話しているので、アラビア語、中国語、ヒンディー語ぐらいはできるらしい)

学識・・・
フジタ:ニューヨークのメトロポリタン美術館の名学芸員なら、美術史の博士級の学識を持つのは当然だろうが、骨董品を扱うせいなのか、考古学にも異常に詳しい。
楔形文字、マヤ文字、エジプト象形文字などを読んでいるシーンがある。歴史学に関しても権威級の実力?
ブラックジャック:マンガでは手術の天才という話になっているわけだが、脳を入れ替える手術などは脳神経について相当の知見を持っていなければ出来ないわけで、他の医者が持っていない学識を持っている可能性が高い。ノーベル医学・生理学賞を取った人物の研究の手助け(理論を実証するための手術のお手伝い)をしているが、無免許医であることをいい事に、自己開発の治療法の臨床試験を勝手にやったりしてるのを自己の治療ノウハウを論文にまとめれば、ノーベル賞数回分の業績になるのでは?

 といったネタに大いにはまっている。ちなみに、ギャラリーフェイクにはシカゴの地下貨物鉄道の廃線跡に隠されたアルカポネの財宝探し(コミック版7巻 シカゴ「アンダーグラウンド」ブルース)、オリエント急行の寝台車1両がオークションに出る話(28巻 オリエント急行オークション)がある。なかなか良い出来はいいと思うが、シカゴの廃線になった地下貨物鉄道の路線は格子型で蜂の巣状にはなっていない。また、ワゴンリ客車を使用したオリエント急行の復活運転を行っていた、NIOE社が倒産したせいで、ワゴンリの復元された寝台車のうちのかなりが遊休状態になっている。ために、寝台車の入手はそれほど困難でないという話もある。

シカゴの地下貨物鉄道のホームページ
http://www.ameritech.net/users/chicagotunnel/tunnel1.html
同路線図
http://www.ameritech.net/users/scalemodel/tunnel6.html

 余談1・・・ブラックジャックは良いが、最近出てる「ブラックジャックによろしく」は全然ダメな漫画である。人物描写等も変なのだが、根本的な問題は著者が医療の描写を中途半端にまじめにやってしまっている事。扱っている問題が1980年位までのネタで、真面目といえば聞こえがいいが少々古い(8bitパソコンの頃の知識を吹聴するような感じ)。抗がん剤は副作用ばかりで効果なしとか、インフォームド・コンセントやセカンドオピニオン(他の医者に意見を聞くこと)が実行されていないという問題は確かに1980年代くらいまでは大問題だったのだが、近年急速に改善してきていている問題(白血病が不治の病でなくなったのは骨髄移植と抗がん剤を利用した化学療法の技術が進歩したおかげ)でもあり、今更描き出す必要がある話題でもない。最近の成人病患者を扱いなれている病院ではきちんと癌であることを本人に宣告することが通例だし、薬の副作用の説明は逆に不安になるほど懇切丁寧で、他の先生にセカンドオピニオンを取る事はかえって喜ばれたりすることもあるという。確かに抗がん剤の副作用などは0になったわけではないから、以前問題は残っているのだが、あえて取り上げるというのは、株や土地の価格の上昇で金儲けするやつを描いた漫画(この関連でダメ漫画がもう一本あったような気がするが)を現在書くようなもので、全く勘違いでもないがどうも的外れだし、もっと上手い描き方がある(医療問題にメスを入れたいんだか、未熟な新米研修医の心の成長を描きたいのかも不明だし)のは素人目でも明らかだったりする(最近問題になっている肺癌用の抗がん剤イレッサなどの、副作用の起こり方は従来の抗がん剤のものとは全然異なる)。ブラックジャックのネタは荒唐無稽なところも多いのであるが、要所要所をおさえているので、洒落っ気のある医者であれば面白がって話を展開できるところがぜんぜん違うのである。

 余談2・・・私は「キュレーター」の事を「学芸員」と書いてしまう癖があるのだが、フジタは「キュレーター」で私が目指しているのも「キュレーター」である。学芸員は学芸員という資格を取得すれば、大学4年でなる事ができるが、本来のキュレーターは大学院で研究実績を積み、博士号取得、ないしはそれに相当する実力の持ち主を指す。アメリカの博物館では「キュレーター」は大学教授級の能力を持つが、同等の地位を持つので、フジタが天才キュレーターであるがゆえに教授と呼ばれたという話は、厳密に考えるとおかしいという事になる。反面、日本では大卒の学芸員資格をもつ、博物館職員の事もキュレーターと呼ぶ(勿論、その中には高い専門能力を持つ人もいるが)ので、20代でキュレーターにというような話はアメリカでは意味があっても日本では意味を持たない。あの漫画での呼び方は妥協の産物といったところか。
 私の鉄道部門での天才キュレーターになるという夢は果たして実現するのであろうか(鉄道関連の産業考古学を専門に指導する大学は日本にはないから、本気でやるのなら海外に行かなくてはならないが)。


○SF

 日本人作家なら星新一が一番と考えている。時代や場所を感じさせない内容がいい。
 ただし、SFについては20年近くに大体読み尽くしてしまい。最近はまっているのはノンフィクションである。
 ノンフィクションなんてあったっけ、という話になりそうだが、星新一は父、星一に関する伝記「明治・父・アメリカ」と「人民は弱し、官吏は強し」と、祖父に関する「祖父、小金井良精の記」という優れた伝記を残している。その他、毒の入ったエッセイも面白いのだが。
 星新一の小説では、主人公が事業なり商売をはじめ、革新的なアイディアをつかってそれをとんとん拍子で発展させるという展開がよく出てくる。話とはいえ、上手すぎないか、と思っていたら、こういった話は実話、しかも星新一の父である星一の星製薬の逸話に基づくものであるらしい。いろいろ調べてみると星一は凄い人物で、奨学金、仕送りなしでアメリカの大学に留学(インターアーバン全盛の時代にである・・・ニューヨークの市街電車に乗る金もケチっている星一自身はあまり利用していなかったとは思うが・・・コロンビア大学卒業後に発行した「JAPAN AND AMERICA」には鉄道会社の広告が結構載っている)、後の星製薬の経営は創意工夫に満ちたものである。
 話はそれるが、星製薬は、政府や政府に媚を売る悪徳実業家の策謀により倒産の憂き目にあう。星一は果敢に政府と争い、また、倒産の悲劇も、会社更生法のない当時としては難しい和議を実現させ、乗り切ったのである(毒舌家としても有名な星新一は、「自選エッセイ」という本のなかで、大変で影で泣く事もあったと前置きした上で、政府と争う事が趣味もない父にとって一種の生きがいになったのでは、という微妙な言葉を残している。)。彼は、長男の親一(=星新一)がまだ20代の時にロサンゼルスで客死、やはりストレスが寿命を縮めたのでは、と一瞬思ったが享年は77歳、結婚が随分遅かったからである。残された星新一氏はその後数年間相当の苦労をしたというが、この時の経験が後の創作活動にも生かされているらしい。

 外国人作家ではアイザック・アシモフの名前を挙げたい。彼は文筆における天才で、スランプに陥った事がない(本人に言わせると、「ある、机について3時間も書く事ができなかったんだ」と答えるらしいが)、短編なら編集者を部屋に待たせている間に一本仕上げる事が出来たという逸話もある。「銀河帝国興亡史」は読むことをお勧めしたい。
 ちなみに、彼は広所恐怖症の気がある。狭い地下都市に密集して人が住む(銀河帝国興亡史の惑星トランター)というと常人ならぞっとするところ。「こんな所あったらいや」という視点で描くわけだが、彼はそういったところが好みらしくて、「こんな所があったらいいな」という視点で描いていえるのである(グレゴリーベンフォート他による「新銀河帝国興亡史」では、アシモフの執筆の中にはなかった密閉された都市の住み心地の悪さの記述が強調されている)。読者の感覚でものが書けなければ小説家にはなれないと思っている人間が多いようだが、実際はそうではないという実例だろう。

○海外ドラマ

(a) アメリカのホームドラマ系

→アルフ:人間の10倍長生きする宇宙人が地球に到来して典型的なサラリーマンの家に居候。大食いで片っ端から家財道具を破壊するために、一家の出費は大幅に増えたのだが、普通に生活できるという事は、あそこの家の親父さんは結構有能(アルフがクレームを送りまくった会社に「営業妨害で告訴することも出来るんですよ」と呼び出されたときに高給でスカウトされそうになって迷うという回があった)?。→より詳しい情報はこちら

→サブリナ:高校生の魔女の日常生活・・・、という話であったがいつのまにか主人公は社会人になってしまった(1996年から7年続いて2003年で一応終了)。魔法を使えない人間が住むこの世界の他に、魔法を使える人間だけが住む「魔界」という世界があるというハリーポッター的設定をハリーポッター登場前に実現。もっとも、アメリカの魔界はダメ男と変人ばかりの面白くない世界なのだが(イギリスに渡るとホグワーツがあったりするのだろうか?とか言っていると新シリーズで「イギリスの知り合い」とかいってハリーが登場しそうだが)。旅行記でも書いたが、フランスで放送されているのを目撃し、フランス語を喋るサブリナがあまりにも様になっていたので笑えた。→より詳しい情報はこちら

(b) スタートレック
→スタートレックと称されるテレビシリーズは5編
  初代スタートレック:1966〜1968
  新スタートレック(ジェネレーションズ):1987〜1993
  ディープスペースナイン:1992〜1998
  ボイジャー:1995〜2001
  エンタープライズ:2001〜

 スタートレックというドラマを一言で説明するなら、「未来の人類の宇宙軍の探査任務を描いたドラマ」というところであろうか。初代のスタートレックは人類の銀河における地位がようやく認められた23世紀、その後3作が24世紀という設定である。
  スタートレックの世界の24世紀は、地球文明華やかりし時代(この後どうなるかはよく知らない)。でも地球は惑星連邦の一員という名目で
周辺の民族と泥沼の戦争をしてるし、宇宙軍はちょっと暴走気味の気が・・・、きちんと民主主義が機能しているのかはいささか疑問の社会(現代みたいに、とは言わない)という雰囲気である。個々のエピソードは悪くないんだけど、こういった時代に順応して「連邦万歳」と生きている(共和党支持のアメリカ人のような)登場人物の思想信条というのはどうも好きになれなかった。軍隊とか規律が好きな人には良いのかもしれないけど。
  個人的には、行く先々で女性とのコンタクト
(美人弁護士の元カノ〜一夜の逢瀬かもしれない〜に「貴方は好きだけど判事に任命された以上全力を尽くすわ」とかいわれて無実の罪で裁かれたりしている)を期待しているような感じのカーク船長が主人公といういい加減な雰囲気の漂う初代みたいなのが好きだったのだが、2001年から始まった新作「エンタープライズ」はそれに応える作品で結構満足している。
  新作は22世紀を舞台にした話なのだが、なんと出航当初のエンタープライズは、
無武装。敵に襲われた時の対処法は、言葉もわからない宇宙人と片言のコンタクトを取り、救援を求める、である。人工重力は故障する(無重力を演出するのが大変だからという理由で、人工重力装置が故障することは極めて少なかった)し、速力も23世紀以降の船の半分も出ない。こんな船乗ってられるかーという話になりそうなのだが、クルーたちは銀河の先進文明の水準に一歩近づいた船に乗れるとあって意気揚々。しかも、悪役宇宙人が、強制収容所に入れられているのを見て、「一部のものが悪行をしているからといって全員を強制収容するとは何事か、日本人強制収容の悲劇を繰り返してはいけない」と、ろくな武装がないにも関わらず救出作戦を行ったりしたり。その結果、アラブ風の武装集団(その星の主権政府テロリストだから接触を持たないようにと警告されたにもかかわらず交流している・・・)に救国の英雄扱いされたりもしている。
 当然のことながら、現代のアメリカとアメリカ人に喧嘩を売ったような話が現在のアメリカで受けるわけもなく、今までのスタートレックシリーズに比べると人気はイマイチらしい。日本人の明治や戦後の世界進出が下書きになっているとも言えるし、日本人強制収容所が出てくるあたりで日本人にとっては好感が持てる設定ともいえるのだが、今までの設定とあまりにも異なっていることから、日本でも人気がないのは残念なところである。

(C)平原生活系
→アボンリーへの道
・・・20世紀初頭のカナダのプリンスエドワード島の家族の生活を描いたドラマ、としか書けない。というのも一見して主人公が誰なのか良くわからないというこの種のドラマにありがちな内容になっているからだ。20世紀初頭のプリンスエドワード島での生活、という設定と、教育委員会(町の寄り合い組織で、自分たちの子供の教育のために先生の募集広告を出したり、雇い入れの監督をしたりする組織、教育委員会というのはそもそもそういうものらしいが)や内職商法(当時もあったんですかねえ)など、私の知りたかった当時の生活の素顔が出てくるのが気に入ってはまる。赤毛のアンの姉妹編でそういう意味で一般には気に入られているようだ→詳細な説明はこちら。

→ドクタークイン 大西部の女医物語
・・・・開拓時代のコロラド州コロラドスプリングスで開業医を営む女医の話。
  大草原の小さな家系のおとなしめの西部劇かな、と思って見始めたのだが。
  最初のうちは、黒人家族が差別にあって一悶着があったり、ホームドラマ的な小事件の開拓時代版が展開されていたのだが、途中から話は脱線しはじめ・・・。
  町外れの一角がインディアン(ネイティブ・アメリカン)居留地に。軍のインディアンに対する待遇の悪さに腹を立てた主人公の旦那は彼らと一緒に反乱を起こす。軍のキャンプを爆破して、インディアンと一緒に逃亡する主人公の旦那が登場してその回は終了。これじゃあ軍(=アメリカ陸軍)に反乱を起こした夫を死刑にするというドラマにありえない展開にしないと話が進まないだろう!!!と驚いていたら、
定職にもついていないワイルドな感じの主人公旦那がグラント大統領の友人で、軍の非道を訴えることで話が片付き、インディアンの待遇も改善、というありえない設定で片付いてしまった。
  鉄道は出てくるが、蒸気機関車に客車が1両という貧相な編成の列車しか現れない。西部開拓時代は大陸横断鉄道でさえ、それなりの設備を持った優等列車はオマハ止め、長距離の優等旅客は一応寝台車(シルバーパレスカーカンパニー社経営)連結だが、シャイアンやオグデンで乗換えが必要な列車に乗り換えての移動だったからそう間違ってはいないのかもしれないが。


○パソコン(2009年2月16日追加)
 一応パソコンは「道具」の位置付けであるが、メインマシンは
メーカー 自作
マザーボード GA-8S661FXM Socket478 Micro ATX PCI×3 AGP×8
CPU Pentium4 3.0GHz 中古のNorthwood
(2007年正月に1万円+αで購入、その前1年間はWillametteセルロン1.7GHzを2.2Ghzにして使用)
メモリ 1.5GB
HDD 1.7TB SATA1TB+SATA200GB+ATA300GB+ATA250GB 全面ファン×2で強制空冷
グラフィックカード Radeon 9600 128M ・2007年に中古ファン付5000円のものを購入。
・ファンが騒々しいので先月、コア、メモリは同等でロープロ、ファンレス1980円のものに取り替え、が、オーバーヒートに悩む。
OS 2000とVista 起動時選択
モニター 20インチ2枚
(1600×2)
Dell 2000FPと2001FP 中古で1枚3万円で購入、どちらもアナログ接続
(グラフィックカードの力不足でデジタル接続の映りがおかしいため)

 とかいう、5年前の最強マシンのような感じだけどヘビーユーザー用としては、MB、グラフィックスまわりが微妙に弱いという怪しい仕様。Googleアースでアメリカの大都市の路面電車網をなぞったりするので、大画面とそれに耐えられる最低限の画像処理性能が欲しい、テレビ兼用で録画もするのでHDDも欲しい、といって安価な部品で組み立てていたらこうなったという言い訳はあるのだが、「趣味はパソコン」という人間でなければこんなマシンは使っていないのでは、とも思う。
 ちなみに、移動用にLet's note T2(昨春ACアダプタなし中古を3.5万円で購入、PenM 1.1G メモリ512M HDDは80GHzに換装)、故障時の予備機としてDellのPen4 2.6GHzのマシンがメインマシンの隣で待機していて、故障時、移動時のHPの更新体制も万全、といいたいところなのだが、肝心の更新のためのネタがないのが痛いところ。


○交通論(放談)


 「検証:近未来交通地図(フレーム版リンクはこちら)」のWorld's Uniquest Railway Enthusiast の投稿を見ると大体わかるのだが、現在交通論放談のページ「WUREの交通無論」を製作している。記事の方は、私のいい加減さと毒舌がでているので、あらかじめご注意を。なお、真面目に勉強したいという方は、専門書(令三本ではなく、大学の先生などが執筆している2500〜円くらいする本)を10冊くらい購入するなり、図書館で借りるなりして勉強するのがお勧めである。

 近未来交通地図に投稿を行っている方々の多くは、「交通の諸問題を何とかしたい」「既存の安易な議論に危機感を覚える」等の高い意識をもって議論をしているようであるが、私自身はそういった思い入れはあまりなく、話題展開が望めるような投稿文をどうやってつくるのかに情熱を燃やしている。やり方が趣味的なのである。
 私自身は、閲覧者が喜ぶ、といったレベルを超えた高度な議論を素人がする事は相当難しいのではないかと考えている。素人ができる話と言うのは、「○○して欲しい」というもので、「○○するべきだ」ではないのである。
 両者は一見似ているが、前者は本人の主観でも事が足りるが、後者は客観的な観察眼が必要で、大幅な隔たりがある。人間の生活の満足の度合いと言うのは、大雑把には所得や物質的な豊かさで測る事が出来るというものの、根本的には各個人の主観である。と言う事で、「○○線を残してほしい」という運動が広がって、その結果赤字ローカル線が存続してしまう事はそれほど間違えではない。しかし、十分な見識がないのに、「○○線は残すべきだ。」という客観的な立場に立った意見を述べることには問題が多いといえよう。ネット上で、公共交通に関する私見を述べたページを多く見かけるが、意見の稚拙さもさることながら、両者の違いを区別しないものが多い事には困惑させられる。

 →やわらかく言うと、「好きだ」ということをあれこれ「理屈っぽく」するなということである。
  
鉄道が好きだ、という事と、鉄道が必要だ、という理屈を混同さ
   せてはいけないと思う。そのかわり、私は言いわけ的に付け焼刃に理
  屈をこねる事が悪いわけで、理屈なしに「好きだから残せ」的な
  存続運動をする事はそんなに間違っていない
とも思っている。余裕
   があればきちんと勉強して欲しいが。

 ところで、「検証:近未来交通地図」はかなりレベルの高い議論を展開しているとはいうものの、問題がないともいえない。巷では荒らしまがいの書き込みをして追放(書き込み禁止)される事が問題になっているが、それはあまり本質的ではなく、掲示板上で表明されている「高度な知見」が土木計画学や都市計画学などの分野に限定されている事が気になる。確かに、新たに都市交通を設計しようという場合には、こういった分野に関する一通りの知識があれば問題はないわけだが、特定分野への偏よった知識の濫用が現在の公共交通の不備の一因となっている事を考えると、既存の問題点を踏まえた抜本的な議論の場としてはやや不十分な感じは否めない(女性学とか心理学とかの諸議論を無視して女性専用車の是非を問うのは・・・)。社会学や社会心理学、経済学といった学問を取り混ぜたアカデミックな議論が行われるといいし、そんな事は実際の都市交通の計画の現場ではやっていないから前衛的なものになっていいと思うのだが、そういう論者が生まれてこないのは残念である。この問題は、「掲示板の保守性」と絡めて論じられるきらいがあるが、他の掲示板で、そういった見解を含めた高度な議論を展開する輩など見た事がない事を考えると、交通論の根本的な貧困が原因にあるものと思う(それぐらいやらないと素人の議論は面白くならないだろう)。

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2004年7月26日作成
2006年1月1日 移設に伴い加筆。