アメリカ旅客鉄道史おまけ(雑談と掲示板) 作者のアメリカ鉄道雑談

WUREの交通論
夜行列車を活性化させる方法

 夜行列車の活性化は、飲み会での鉄道ファンの格好の肴。しかし、何か違和感を感じるのである。

 一番の理由は、夜をまたがっての移動で速度における夜行列車の優位性が下がってしまった事にある。
 いまや、急ぎたいならヘリコプターやプライベートジェット機を借りれる時代、そのコストは団体なら通常の航空運賃の倍額以内、個人でも手の届かない額ではない(くわしくはこちら)。確かに、未だに新幹線では東京を21時20分以降に出て、大阪に8時30分以降に出るような移動は出来ないのであるが、だからといって夜行列車に公共性を求めるのは困難なのである。
 一方、夜行列車はJRの商品としては魅力がない。おそらく夜行列車は高速バスに比べれば人件費節約になるので、グループ全体でみても若干の利益増の可能性はあるのだが、車両の新造or改造と維持費用を考えれば、利益増となる範囲はきわめて小さく、企画立案に至る諸経費を上回るかどうかすら明らかではない。現行のJRの意思決定はそれなりに合理的なのである。
 というわけで、あなたがもし夜行列車を実現させたいのであれば、以下のような方法が「現実的」と言えるであろう。

No 実現方法 実行した場
合の実現性
費用
毎日団体乗車券を購入、夜行列車を走らせる ☆☆☆☆☆ 100万/日〜3億円/年
100万円/日程度で実現できる実現性が高く、短期間であればコストパフォーマンスも高い方法。掲示板で仲間を集めて実現させよう!
政治家に1億円を献金、「夜行列車活性化既成同盟」を結成するように圧力をかける ☆☆☆☆ 1億円/年
(1000万円/年程度から実行可能か)
以外に効果が大きい方法、自民党というと湯水のように金を集めているように見えるがせいぜい数百億円単位(ニューヨークの地下鉄と路面電車会社から数千億円単位で金を毟り取ったタマニーホールとかの話を知っていれば、ままごとに過ぎない・・・)。そのなかで1億円を献金すればそれなりに注目される。少なくともJRの株式を買うよりは安価である。
JRの三島会社の株式を10%以上購入
執拗に株主総会でごねる
☆☆☆☆☆ 5000億円
(但し、戻ってくる)
50%以上持てば完璧という効果が高い方法だが、金はかかる。但し、単に投資なので利益を生む可能性もある。JR貨物完全民営化の際にJR貨物を買い占めて夜行列車部門を創設するのがいいのかもしれない。
JRの三島会社の社員になり、「夜行列車活性のための企画書」を提示 通常の学習費用のみ+運
(追加費用なし)
自分も小学生の自分にこんな事を考えていたような気がするが・・・。今これを読んでいるあなたが本当に小学生なら投資の勉強をして3を目指したほうが手っ取り早い。
鉄道雑誌に夜行列車に関する本を出版 ≒0 数百万円/回
出版詐欺に引っかからないように
鉄道雑誌に夜行列車に関する論評を投稿 ≒0 1000円/回+運
(100万円単位の支出で実現可能性向上)
こんなこと書いて、雑誌に載るのかなあ。ジャーナルの投稿欄なら希望ありかも。出版社を支援すれば掲載率も高まると思うが、その場合自費出版でもいいかも。
飲み屋で夜行列車に関する漫談 0円
忘年会の折にでもどうぞ

 ところで、皮肉っぽい事を言わずに、低費用で夜行列車活性化を訴えるのであれば、ロビー運動と言う方法もある。人を説得、様々な意見を取りまとめて実現を訴えるのは簡単な方法ではないが、やりがいもある方法である。利益が出るという計算よりは、人の心をつかむ事を学ぶのが健全かもしれない。


補足

  某Q and A コーナーで夜行列車の事が話題になったので、回答をした。
  残念ながら誤解が解けそうになく、またQ and Aは議論の場ではないので、この場を借りて公言するが、

1.「夜行列車を残してほしい」と飲み屋とかで議論したり、掲示板に書き込む人と、実際に存続運動する人は別人。

2.本気で存続運動する気があるのであれば私はそれなりに協力する。

 という事を強調したい。
 まず、調子のいい事を言う人間が実際に実行に移すかどうかは別問題。「いやー、夜行列車には残っていてほしいよ」という人に限って、「では、明日から存続運動してください」というと「いやー意味がないでしょう」とかいって逃げるものである。私は某鉄道路線の存続運動をしている現場を見学したことがあったが、ネット上でこれだけ擁護論があるにも関わらず、実際にビラを撒いて等、積極的に動く人は数人しか存在しなかった。私の経験では、最初から否定的なことを言う人を説得するとそれなりにいいことがあるような気がする。
 また、運動には積極的に協力したい。「JR本社を焼き討ちする」とか発展性のないものはNGだが、夜行列車を存続させるために考える場を作りたいとか言うのは大賛成である。残念ながら力も金もないので、出来ることは

○1000円単位の運動資金の寄付
○ビラ、印刷の手伝い (近所には割安で印刷できる場所がある)
○ニュースレター等への原稿の寄稿

 等しかないが、もし本気で存続運動をしたいという方があればご一報いただければと思う(特にQ&Aの質問者!)



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2007年12月13日作成