アメリカ旅客鉄道史おまけ(雑談と掲示板) 作者のアメリカ鉄道雑談

簡単に欧州第二回訪問報告
2009/10/13
筆者近影(ロンドン、キングズクロス駅)、良い子は真似をしないように・・・
 ところで、この、いかにも「ハリポタファンが殺到するから用意しました」という感じの壁と「9と4分の3番線」表示、ネットで調べてみると何種類かある・・・。周辺でやたらと行なわれている工事とかが関係しているようだが、本物が混じっているかもしれない・・・とか考えると面白い。
 ここは人気スポットで、こういう馬鹿な写真をとろうとあれこれ作戦を立てている間に次々に観光客が現われる。ハリポタファンと思われる女性(南欧あたりからの旅行者?)の写真撮影の手伝いをしたり、ガイドに連れられてやってきた中年観光客(おそらくイギリス人)相手に、「入れーん!」と壁を叩くジェスチャーをしたら好評だった。

  「ヨーロッパ良かったなあ。」
  前回のヨーロッパ行きをあまりに楽しんでしまい、ヨーロッパの街を好意的に見すぎているかなあ、と思っていた私。機会あれば再度訪問してもう少し客観的な目で見たいと前々から考えていたのであるが、忙しいことに加えて、原油高で欧州行きの航空券にはものすごいサーチャージが・・・。これは当分無理かなあ、と思っていたが、どういう風の吹き回しか、チャンスは突然訪れた。
  前回の訪問はあちこち回ったが、今回の訪問はオランダとイギリス、しかも国内をあちこち回るというわけでもなく、訪問都市はロッテルダムとロンドン、それとアムステルダムとユトレヒトを少しだけ
(※1)、それに前半は所用、後半は風邪をひいてしまったお陰で、写真を撮りまくる、というわけには行かなかったが、オランダ人と一緒に通勤ラッシュを体験したり、所用というのが交通関連の国際会議で、「問題ありまくりの欧州の都市交通をどう改善するか」という事をテーマに延々と話し合う事ができたりしたので、かなり有益だったのは確かである。

<ロッテルダム>

オランダ第二の都市、ロッテルダム(人口60万人)
100キロの路面電車網があると言われ、至る所で電車を目撃した

ちょっと粒子粗いのが残念であるがロッテルダム中央駅前の電停
3〜5車体連接車2編成をさばくホームが4つある

泊まった安宿(角の黒ずんだ外壁の建物)
ここは港湾付近の景観保存地区といったところ、裏側は高層ビル・高層住宅だったりもする

<アムステルダム>
アムステルダムの繁華街
実際通った時はかなり幻想的で感動したのだが、写真のほうは夜の人ごみの中を路面電車が走っているだけにしか見えない
こういうのって写真の腕の差が出てくるなあ、と思う一コマ

数百メートル北上したあたりの昼間の様子

アムステルダム中央駅 駅前の様子(右側が有名な駅舎)
前回訪問時はどんよりとした印象があったのだが、今回は晴天で風景も鮮やかだった

<ユトレヒト>
駅前からユトレヒト駅を望む
 ユトレヒト駅はショッピングセンター直結、それはいいのであるが、ゴテゴテと建てられたビルに囲まれている上、風情のある建物も皆無で、東京近郊のどこかという感じ・・・。ヨーロッパでもこんな街があるんだあ、という意味では興味深かった。
但し、駅から少し歩くと、こんな感じの運河と古い街並みが残っていて
オランダでも景観の良い都市の一つとして有名になっている。

ユトレヒトのバス専用道路
  ユトレヒトのトラムは2路線のみ。しかも高床式ホーム、専用軌道、高速運転という姿は路面電車というよりも静岡鉄道とか、総武流山電鉄のような都市近郊の短距離私鉄を思わせるものであった。おかしいと思い調べてみると、この路面電車路線は1983年に新設開業したもので、旧来の路面電車は1949年廃止とある。代わりというわけではないのだろうが、街中にはバス専用道路が張り巡らされていて、連接バスや車内中央部にエンジンを置くことで最後部までノンステップを実現したバスが走り回っていた。専用道路は安上がりではあるが、占有面積という面ではやや路面電車に分があるようである。

<フェリー>
オランダ〜イギリス間の移動はフェリー
  フェリーは夜行便を予約したのだが、ドック入りでキャンセルになったことを当日知らされ、翌日の昼行便に。お詫びとして無料で宿と宿までの往復のタクシーを手配してもらえた。フェリー港のあるフォーク・フォン・ホランドはロッテルダムから電車で30分。田舎ではないのだが、それが逆に災いして外国人が滞在するのは稀といった感じの場所で、ホテルの主人も東洋人を相手にした事はなさそうであった(ちょうど千葉の私の実家のもより駅にあるゴルフ客向けの小さなホテルに泊まるようなものか)。ホテルの主人は東洋人の私を見て町外れにある中華料理店を勧めるが、私の実家付近にある西洋料理店同様、その店は東洋人向けというよりは地元の人がご馳走を食べたいと思った時に行きそうな感じのお洒落な店だったので、もっと庶民的な店を探して夕食をとることにした。

船室の様子
  窓付き1人船室の予定であったが、四人用の大きな船室を割り当てられる(シャワー、トイレ付き)。キャンセルのお詫びなのか、それとも船室が開いているからこういう扱いになるのかは不明。これにフルコースの夕食とロンドンまでのバスの乗車券(本当は電車なのであるがこの日は接続列車が運休で代行バスを利用することとなった)がつき、運賃+料金は1万円であった。

船内の食堂兼ラウンジの様子
フィリピン人船員が多数働いており、人的サービスは充実していた

イギリス ハービッチ港
  まもなく接岸、という時の様子。この後入国審査を受けてイギリス入国となるのであるが、入国審査が厳しいのに驚かされる。イギリスの入国審査が厳しいという話は聞いていたのであるが、アメリカ入国の際のように帰国用航空券必須で指紋採取とか顔写真撮影とかいうことはないので、「厳しいといってもアメリカほどではないだろう」と勝手に思い込んでいたのであるが、『指紋取れば大丈夫だろう』という感じでやる事さえやれば後はアバウトなアメリカと違い、こちらは真剣そのもの。「ホテルの予約は取ったのか」「航空券の代金は誰が払ったのか」「オランダで何をしてきたのか」「日本での勤務先は」「17日からヨーロッパ旅行していると言ってるけど、スキポールの入国印は18日ですよ(夜行のフライトだから日本出国は17日なんです!)」等々、あれこれ細かく聞かれた。疑っているというよりは、この日入国のフェリーはこの1隻で、徒歩で入国のEU外の人間なんて数人しかいなかったから、そうでもしないと職務怠慢と批判されかねないとかいう事情があるのだろうが、「日本企業が労働許可も取らずに応援の社員を送り込むのとかを警戒しているのかなあ」とかついつい余計な事を考えてしまう(※2)。但し、徒歩客が少ない事もあって、入国後バスの発車までにはえらく待ち時間があった。


<ロンドン>
キングズクロス駅のコンコース
  ロンドンの駅の発車案内はかなり迫力がある。長距離列車も短距離列車(大抵は地下鉄の終点から20〜30分先にいった田園風景が広がるあたりまで行く路線であるが、地下鉄網の範囲内に終点がある超近距離非電化路線もある)もあまり区別せず、運行会社名、発車時刻、主要停車駅、発車番線を電光掲示板に表示、しかも近距離列車でも発車番線が定まっていないようで、乗客は電光表示を見てホームに走るので、とてつもない本数の長距離列車が発着するように錯覚してしまうからである。、

地下鉄(チューブ)車内
  ロンドンの地下鉄には、蒸気運転の初期の地下鉄に由来し、比較的車両断面の大きい「サブサーフェス」と、20世紀初頭に建設され、小断面で有名な「チューブ」があることが知られている。しかし、車両の大きさにあわせた路線の使い分けなどは全く行なわれておらず、郊外路線では、サブサーフェスが基幹路線となり急行運転を行い、チューブが各駅停車となっている区間と、チューブが急行運転をおこない、サブサーフェスが各駅停車となっている区間が並存している。

宿
  19年前に来た時は団体旅行で大きなホテルに宿泊。ずらっと並ぶフラットを見て、あんなところに泊まってみたいなあ、と思ったものだが、今回その願いがかなう。一泊15ポンドの安宿(6人1室のドミトリー)であったが、朝食付きでなかなか快適であった。

※1:ちなみに前回はオーストリア航空の直行便(12時間)であったが、今回は1円でも安くということで台湾のエバー航空を使い、台北、バンコクまわりで飛行機に乗っている時間は20時間、乗り継ぎ待ちも入れると30時間を超える長旅であった。エバー航空は他社に比べ座席間隔も広く(なぜかトップクラスで、欧州の会社に比べ5センチほど広く、ユナイテッド航空の上級エコノミーと同じ位の幅がある)、機内食もなかなか良かったが、30時間ともなるとさすがに疲れた。「報告のための睡眠削って事前準備+飛行機20時間+安宿+慣れない英語での報告・質疑応答」の3点セットは体力も大した英語能力もない人間にとってはさすがに無茶苦茶(途上国をうろうろするバックパッカーに憧れがあり、わざわざ苦行を自分に科して喜んでいたという説も・・・)で、報告後ほぼ瞬時に風邪をひいてしまった・・・。

※2:帰国してネットで調べてみたら、やはりイギリスの入国審査は厳しいらしく、「入国拒否された」という話もちらほら。
イギリスに居着いてしまいそうな、20代後半〜30代の女性に厳しいというのと、(一般的に厳しいと言われている)アメリカでも、「確認取れたからOKですけど、次回気をつけて下さい」で片付けてしまう書類の単純ミス(まあ、別室で散々取り調べられはするが)で日本に強制送還という入国管理システムが影響しているらしい。
ただし、入国拒否と聞いて、「次回絶対無理」「犯罪を犯したようなものだから反省しなさい」とか、厳しい事を書いているQ&A等の情報交換サイトの情報はかなりいい加減。実際は、書類の不備で入国拒否⇒不備を訂正さえすればそれでOK、な事も多いようである。このあたり、海外に気軽に行っている人とか、英国人との交際に上手くいっている人への妬みとかあったりするのかなあ、とか余計な事を考えてしまうのだが。

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2009年10月13日作成