アメリカ旅客鉄道史おまけ(雑談と掲示板) 作者のアメリカ鉄道雑談

選挙と交通政策
2012年12月04日

  政権交代からはや3年、今後の日本の行く末を占う総選挙がはじまる。
  で、今日とんでもない事に気付いた私。
  経済学に関心のある私は、民主党と自民党が経済政策で差を見せようとしている点に関心をもって選挙を眺めていたのだが・・・TPPとかインフレターゲットとかについては意見が出尽くしている状態なので、原点に返って交通政策について確認すると・・・何にもないのである!
  厳密にいうと、自民党の公約集には、小さい字で「鉄道・道路のミッシングリンク解消」「ハブ空港、ハブ港湾の形成」とあるが、それだけ、日教組云々よりは大きな字で書く価値はあると思うのであるが・・・(※1)。民主党に至っては「交通網の節電」という文字があるだけ・・・(成果の処に、LCCの就航便数という数字が載っているが、これって成果?)。
  ちなみに、日本未来の党、日本維新の会、みんなの党の選挙公約も他の政党も見てみたが、未来、維新には交通関係の記述はなかった。みんなの党の公約の中には、「地域主権型道州制の導入を前提として、地域交通業者の再編を進め、営業範囲の広域化を後押しする。」、という興味深い提案があった、が、地域の交通事業者の再編は1960年代に検討されたが、あまり効果無しという事で没になった提案である(※1)。
 
  うーん、もともと何も提案していないんだったらこれでもいいけど、2009年には自民党も民主党もあれこれ交通政策について提案していたような(高速道路とか、電気自動車とか・・・)あのあたりの話はどうなったんだろう。それに、脱原発で電気の節約という話になっているけど、国全体でいえばエネルギー消費の削減が重要で、全てのエネルギーの10〜15%を消費している、と言われている自家用車の削減は重要だと思うんだけど・・・。そもそも、今回の選挙公約では「環境」の文字が後退しているけど、世論の沸騰に任せて、都合良く言葉を出したりひっこめたり・・・なんてしているから原発政策が今のようになって事故も起こったのでは?もう少し交通を前面に出した政策運営をしても良いだろうし、興味のある人間としては、もっとアピール活動にいそしむべきかもしれない。

  ちなみに下の写真は、マレーシアの政府改革プログラムのHP、電車のマークがあるが、この国では公共交通の改善が国家の7大目標に取り上げられ、積極的に改革が進んでいるのである。勿論、途上国であり、実際何をやっているのかが良く分からないし、公共交通を取り上げる重要性もいまいち不明瞭(このまま車依存が続くとガソリン補助金のせいで国家財政はパンクするのは確かだが)。だが、ここまで行かないにしろ、交通の問題にもう少し意識を払う必要が日本にもあるような気がするのだが・・・。



マレーシアの経済変革プログラム紹介のページ
政策目標のシンボルは、谷垣総裁時代の自民党の「8つの政策目標」に類似するが、どっちが真似したのか
(それとも他国に共通のもとネタがあるのか・・・)
※1)ちなみに、みんなの党の政権公約には、ポートオーソリティの設立により、航空・港湾の一括管理をという提案もある・・・確かにニューヨークにはそういう制度があるのだが、アメリカの中でも特殊事例で、実際効果があるのかは疑問である。




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2012年12月04日作成