アメリカ旅客鉄道史おまけ(雑談と掲示板) 作者のアメリカ鉄道雑談

○パシフィック電鉄の旅客サービス
2003/11/10

 私の古本の入手方法は幾つかあるのだが、一番手軽なのがオンラインのAlbrisに注文するというものである。品揃えは多少限定されるが、送料が安いのがメリットである。
 このオンライン書店に注文した商品は、包装ケースをさらに大きな袋に入れた「国際郵袋郵便」という謎の種別の郵便で送られてくる。送料は、7ドルちょっとと10ドルちょっとの二種類選べるのだが、速度は送料より発送物の重量に関係する模様。時刻表だとか、重いものを発送すると3週間以上かかるのだが、軽いものだと10日で来る。10日ということは飛行機に乗ってきたのか、と想像するのだが、実際どうなっているかはよく分からない。アマゾンであると到着日はかなりはっきりしているのだが、この書店の場合、予想を外れて早く到着することがあり、驚かされる。
 
 そんなわけで、先日注文した「Passenger Service of Pacific Electric」は、多忙で読む暇もない時期に私の手元にやってきた。しかし、読めない・・・、といいたいのだが、到着したとなればついつい開いて読んでしまうのが趣味人の悲しい性、早速開封して内容を確認してしまった。
 簡単に言うと、この本はパシフィック電鉄の大統合(1911)年以降のダイヤの概略を記したもので、付録として1916年の時刻表を完全収録したすぐれものである。中西部のインターアーバンについては「オフィシャル・ガイド」に記載があるので不自由しないが、時刻掲載のないパシフィック電鉄の場合は、こういう本の存在は重宝する。私は、海外の鉄道においても模型製作よりはダイヤや編成、配線等に興味をもつタイプの趣味人なのでなおさらである。

 詳しい内容については、パシフィック電鉄紹介ページの「路線」で行うつもりであるが、完成までに少々時間がかかる予定なので、主だった特長を挙げていこう。

<運行間隔>
 西部の各路線と南部のワッツ行き各駅停車は頻発、パサデナ行きはおよそ15分おき、その他の主要路線は30〜60分おき。

<急行・特急>
 複々線区間がある北部のエル・モリノ、南部のワッツまでと、待避線を備えた西部のヒルストリート−ヴィンヤード間では「各駅(Local)」を名乗る列車以外は急行運転、運行間隔は各路線とも昼間10〜15分間隔ぐらいか。ラッシュ時のロングビーチ、パサデナ、サン・フェルナンド(ハリウッドの北)、ヴェニスなどへ向かう路線、および、サン・バナディーのへ向かう昼間列車の一部には特急を名乗る列車が存在し、それ以外の列車に比べて数分早い(停車駅はかなり少ないのだが)。

<ローカル線>
 一日数本しか列車が走らない路線が何本かある。ロングビートからその先のニューポートビーチへ向かう路線は、第二次世界大戦後本数が激減し、3往復しか走らなくなっていた(戦争前に一旦廃止されたものだから仕方がないという話もあるが)。


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