アメリカ旅客鉄道史+α現代アメリカ公共交通情報>長距離バス

3.長距離バス 2005年7月現在の情報に基づく

↑ミシガン州アナーバーのバスディ-ポ(なんと、インターアーバンであるデトロイト・ユナイテッド電鉄の駅が起源)とバス

<長距離バス>
   「長距離バスは使わないほうがいい!」というアドバイスは結構多い。当のアメリカ人でさえ、「学生の時一度乗ったけどさあ、おっかなかったよ〜。」と言っている位だからこの種のアドバイスは間違いではない。アメリカの長距離バスは、運行や車内の安全に関していえば、日本の高速バスよりも遥かに良いのであるが、あまり車内が綺麗でないのと、バスターミナルの治安が悪いという問題点がある。運賃に関しても、あらかじめ旅程が決まっていれば格安系の航空会社の割引航空券を購入したほうが得な事が多い。もっとも、こういった問題点はパックツアーでしか旅行した事のない人間であれば問題になろうが、東南アジアをバックパック一つで歩き回った経験のある人間にとっては大した問題にはならないだろう、何せ車内の治安と走行中の安全性は高いのである。バスターミナルの治安が悪いと言ってもターミナルを出ない限りは問題にはならない。そんなわけで、アメリカの風景を眺めながら旅行するには最適と言う旅行者も多い。というわけで、長距離バスは、アメリカの都市での宿の取り方、治安の良い場所悪い場所の見分けがつく方などの上級者向きの乗り物。少なくとも、バスターミナルからの足の確保についての見当をつけておく必要がある。


○グレイハウンドホームページhttp://www.greyhound.com/

 グレイハウンドはアメリカ長距離バスの最大手。90年近い歴史を誇るが、航空産業の規制緩和などの影響を受けて会社としては1980年代に一度解体している。グレイハウンドラインズの他、トレイルウェイズ他数社が長距離バスを運行しているが、主要都市間に関してはコードシェア、連絡輸送等を行っているので、アメリカ大陸横断等を考えるときにはグレイハウンド社のHPを見るだけで事足りる。

<メモ>
・バスターミナルに表示されているのは発着時刻だけで、詳細な時刻表はない。インターネットの時刻表検索が便利。
・バスの乗車は先着順。著者乗車時はインターネットで予約発券したが、そこにも「先着順」の文字が。
・米国の他、メキシコ、カナダへも路線を伸ばしている。
・バスターミナルはダウンタウンにあることが多いが、なぜか市バスとリンクしていない。バスターミナルを出て、少し歩いてバス停を探す、というパターンが多い。
・1980年代以降、航空産業の規制緩和のあおりを受け、大幅に路線を縮小。カバーする街の数が20年前の半分程度になっている(現在確か全米4000箇所ほど)。
・車内は飲食禁止(食事停車有)、禁煙

・HPに金をかけていないせいか、サーバーが止まっている事が多い。
・駅馬車を起源とするという俗説があるが、実際には中西部のインターアーバンと西部の鉄道会社の廃止となった各駅停車の代行運転バスが幾多の変遷を経たあと今のような路線網を持つに至っているというのが真実。写真のアナーバーのようにかつての電車のターミナルをそのままバスターミナルにしている事例は結構あるかもしれない。

「アメリカ旅客鉄道史+α」トップへ

現代アメリカ公共交通情報表紙へ

<ページの履歴(著者備忘メモ)>
2005年8月11日新設

2006年1月7日 URL移設、背景変更