アメリカ旅客鉄道史おまけ(雑談と掲示板) おまけページ-バス

○第6話(2005年4月4日執筆)
  石山駅〜岩間寺(滋賀県大津市) (京阪バス)
 ヨーロッパで大枚をはたいてしまった人間が言う事でもないだろうが、旅行たるもの、ただ遠くに出かければいいというものではない。

 要は、非日常を体験できればいいわけで、その目的を達成するためには、隣町の商店街を歩いても良いわけである。当たり前の商店街であっても「何でこんな所にこんなものが」というものが一つぐらいはあったり、地元の商店街か何かが町おこし目的で作ろうとして企画倒れになったような「特産品(?)」があったりして、楽しめない事もない。超マイナーだが、地元の人にとっては大切なもので、名所としてアピールしようとしている「観光地(?)」めぐりもいいかもしれない。草津市に居住していた時分には、こんなコンセプトで、電車なら5分の守山まで、琵琶湖湖岸周りのバスで1時間かけて出向き、着いた先で旅情を楽しんだりした。つまらなければ電車で5分で現実に帰れると言うのも便利なところである。

 とはいえ、それでは面白くないという人の為に、非日常空間に気軽に旅できるバス路線を紹介しよう。それが京阪バスの岩間寺線である。
 大津市石山付近のバス路線付の道路地図を持っている人がいたら参照するとわかるのだが、石山駅から南方に少し行ったところに、岩間寺という寺がある。この寺は西国三十三番ヶ所の十二番目で、ボケ封じの寺として有名なのだが、十三番目の石山寺に比べれば一般的な知名度は低い。石山寺の方は瀬田川からさして離れていないところにあり、交通の便も悪くないのだが、岩間寺は標高400メートルの山上にある。山上に向け、曲がりくねった道が延々と伸びていて、自転車などで行くとしたら、非常に面倒くさそうなところであるがここには毎月17日に限りバスの便がある。
 最近は行っていないのだが、この寺には2〜3度出かけた事がある。当然の事ながらバスである。17日にのみバスが運行されるのは、行事がこの日に行われるからであるが、結構通の人には有名なようで、この日に限り出かける人間も多い。当然の事ながら、使用する車両も石山近辺の住宅地を結ぶ大型車という事になり、乗り甲斐もある。バスは曲がりくねった狭い道を2速、時速20キロ程度でのぼっていく。
 これでもかという位の山岳走行を続けると、終点岩間寺。ひなびた境内は下界の喧騒から見ると別天地で、有名な「古池や・・・」の句が生まれたという芭蕉の池などいくつか見所もある。私自身は、度忘れが多かった事に鑑み、ボケ封じの蝋燭を献納した記憶がある。
 ちなみに、石山には石山寺があり、琵琶湖の水位を始めて人工的にコントロールできるようになったという点で偉大な洗堰があったり、東海道53次の名所の一つの瀬田の唐橋があったりで、京都さえ目が向かなければ、ちょっとした旅行には悪くない場所である(史跡が多く、琵琶湖のせいで風光明媚な滋賀県はどこもそうなのだが・・・ミラノ近郊のコモのように開発できればいいのに・・・)。


 岩間寺の情報1
 岩間寺の情報2


 ちなみに、道路地図を見る限り、兵庫県の二十五番、御嶽山清水寺に向かう道路も似たような感じになっていて、面白そうである。最近あまり山バス紀行も進んでいないので、出かけにいくかもしれない。

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